文法は、単体では機能しません。語彙を正しい順に並べ、構成力とスピーキングを支えるための土台であって、知識として完成させるものではありません。
文法書を1冊終える。
文法問題は解ける。
なのに、自分で文を作ろうとすると止まる。
「もう一度、基礎から文法をやり直そうか」
そう考えたことはありませんか?
やり直しても、たいてい同じ場所で止まります。解く練習と、組み立てる練習が別物だからです。
文法とは何か
文法とは、語を並べる順番と形のルールです。知っているかどうかではなく、並べられるかどうかで測ります。
問題集で正解できるのは「知っている」の証明にはなりますが、「並べられる」の証明にはなりません。
だから文法の学び直しは、説明できる項目を増やす方向ではなく、使える型を増やす方向で進めます。
文法は3つの方向とつながる
一覧で示します。
| つながる先 | どうつながるか | 切れているときのサイン |
| 語彙 | 文法は、並べる語がなければ動かない | 型は分かるのに、入れる語が出てこない |
| 構成力 | 1文が作れたら、次は文と文の関係を示す段階 | 正しい文が並んでいるだけの話になる |
| スピーキング | 使えるかどうかは、知識ではなく速度で決まる | 書けば正しい文が作れるのに、会話では出てこない |
① 語彙とつながる|並べる対象を持つ
文法は、並べる語がなければ動きません。逆に、語だけあっても順番が決まらなければ文になりません。
覚えるときに語と型をセットにすると、この2つが同時に片づきます。方法は英語の語順が崩れがちな人へ:チャンク記憶でロックする方法にあります。
② 構成力とつながる|文と文の関係を作る
1文が作れるようになると、次は文と文の関係です。
因果、対比、条件。ここを言葉で示せないと、正しい文が並んでいるだけの話になります。使う語は多くありません。つなぎ言葉を使うだけで英語が伝わりやすくなる【Connectors一覧と例文】から、まず3種類だけ取り出してください。
③ スピーキングとつながる|考えずに出せるようにする
文法が使えるかどうかは、速度で決まります。
書けば正しい文が作れるのに会話で出ない場合、足りないのは知識ではなく自動化です。日本語を見て2秒以内に英語を口に出す練習で、この差は埋まります。
手順は瞬間英作文の効果的なやり方|会話で出てこない人がやっている3つの間違いにまとめました。
読む順番
使うための文法は、次の順で組み立てます。
- 英語5文型|ビジネスで使う骨組み。「うーん」を止めて言葉を走らせる完全ガイド|まず骨組み。主語と動詞を置く形に慣れる。
- 法助動詞(Modal Verb)の種類と使い方、ニュアンスの違い|確度と立場を刻む。実務で最も効く文法項目。
- つなぎ言葉を使うだけで英語が伝わりやすくなる【Connectors一覧と例文】|文と文をつなぐ。ここから話が長くなっても崩れなくなる。
- 瞬間英作文の効果的なやり方|会話で出てこない人がやっている3つの間違い|組み立てを自動化する。
1と2だけで、実務のやりとりはかなり回ります。網羅を目指さないでください。
よくある質問
文法書は1冊やり切るべきですか
通読は必要ありません。辞書のように引く使い方に変えるのがおすすめです。
使う項目は限られています。会議で必要になるのは、時制・法助動詞・接続・関係詞あたりです。
文法を間違えると通じませんか
多くの場合、通じます。伝わりにくくなるのは、語順が崩れたときと、時制がずれたときです。
直す優先順位は、語順 → 時制 → その他です。細かい冠詞の誤りは後回しで構いません。
中学英語からやり直すべきですか
文が作れないなら、中学英語をやり直しましょう。中学範囲の文型と時制で、日常と仕事のやりとりの大半は組み立てられます。
どこまでを「基礎」とするかは社会人の英語「基礎固め」は何をどこまでやるのか|終わりが決まる3つの範囲で線を引いています。
次にやること
今日やることは1つです。言いたいことを1つ選び、主語と動詞だけの短い文にしてください。
そこに語を足していけば文になります。文法は、その足し方のルールにすぎません。
学習全体の順番は英語勉強法は「順番」が9割。SLAが導く大人のための4ステップで確認できます。
