社会人の英語「基礎固め」は何をどこまでやるのか|終わりが決まる3つの範囲

英語学習ロードマップ

書店で参考書を買い直す。
「まずは基礎からやり直そう」
そう決めて、1ページ目を開く。

3日後、机の上でそのまま止まっている。
去年も同じことをした気がする。

「基礎固めって、いつ終わるんだろう」
そう思ったことはありませんか?

終わらないのは、「どうなったら基礎が固まったのか」が決まっていないからです。

終了条件のない作業は、いつまでも続きます。辛いですよね。
ここでは基礎を3つに分け、それぞれの終わりを具体的な状態で示します。

「基礎固め」という言葉が、作業を終わらせなくする

基礎固めは、範囲が決まっていません。

文法書を1冊終えても、次の1冊が視界に入ります。単語帳を1周しても、覚えていない語が残っています。やればやるほど、足りない部分のほうが見えてきます。

しかも、基礎をやっている間は英語を使う場面がありません。手応えがないまま時間だけが過ぎます。

だから途中でやめて、しばらくしてまた最初から買い直す。この繰り返しになります。

抜け出すには、範囲と終わりを先に決めます。

社会人にとっての基礎は、3つしかない

仕事で英語を使う人にとって必要な基礎は、次の3つに絞れます。

  • 文の骨組み|主語と動詞を置いて、文の形を作れること
  • 頻出語|日常と仕事で繰り返し出てくる1,000〜1,500語
  • 音のルール|文字と音のつながり方、語と語がつながる仕組み

逆に言えば、これ以外は基礎ではありません。仮定法も関係代名詞も、必要になった時点で足せます。

3つとも「終わりの状態」を言葉にできます。順に見ていきます。

① 文の骨組み|終わりは「言いたいことを主語と動詞で置ける」

文法用語を説明できる必要はありません。判定はこれです。

日本語で思いついた内容を、まず主語と動詞だけの短い文にできるか。

「先週の会議で決まったことを共有したい」→ “I want to share what we decided.”

長い日本語をそのまま英語にしようとして固まるなら、まだこの段階です。文型そのものが曖昧な場合は、英語5文型|ビジネスで使う骨組み。「うーん」を止めて言葉を走らせる完全ガイドで骨組みだけを確認してください。

② 頻出語|終わりは「知らない語で止まる回数が減る」

覚えた語数を数えても、終わりは来ません。判定は使用場面で行います。

自分の仕事に関するやりとりを読んだとき、1文に知らない語が2つ以上出てこないか。これが目安です。

そこに届いていれば、語彙の基礎は足りています。あとは分野ごとの語を、必要になったときに足していきます。

③ 音のルール|終わりは「聞こえた音を文字に戻せる」

3つの中で、いちばん飛ばされやすいのがここです。

判定は簡単です。短い英文を聞いて、知っている単語なら文字に書き起こせるか。

書けないなら、音のルールが入っていません。単語は知っているのに聞き取れない状態は、ここが原因です。仕組みは「読めばわかるのに聞き取れない」大人のためのリスニング「音声知覚」3ステップで扱っています。

大人がこの部分をやり直す理由は大人がフォニックスをやり直す理由。子ども向けとは「目的」が根本的に違うにまとめました。子ども向けの教材をそのまま使っても届きません。

音を後回しにしない

社会人の基礎固めは、文法と単語から始まることがほとんどです。書店の棚がその順番だからです。

しかし音を後回しにすると、それまでに覚えた語がすべて「読めるだけの語」になります。

聞いて分からない語は、会話では使えません。覚え直しではなく、覚えた時点で音もセットにするほうが早く済みます。

3つを同時に進める必要はありません。ただし音だけは、最初から少しずつ混ぜてください。1日10分で足ります。

どのくらいかかるのか

英語学習全体の時間感覚として、Pearsonの推計では初学者からA2までの累計が約200〜800時間です。これは授業や演習などに取り組んだ時間で、この記事で示した「文・語彙・音」の3つの終了条件を満たすまでの時間ではありません。

基礎固めは日数だけで終わりを決めず、先ほどの3つの状態で確かめてください。3か月たっても一部が残っているなら、「向いていない」と決める前に、何ができて何がまだ難しいかを見ます。

レベル別の目安と時間の数え方は英語習得に必要な時間の目安で確認できます。

基礎の段階でやらなくていいこと

時間は限られています。この段階で外していいものを挙げます。

  • 分厚い文法書の通読|必要な項目は多くありません。辞書のように引く使い方に変えます。
  • 試験対策|スコアを上げる練習は、基礎が入ってからのほうが効率が上がります。
  • 難しい教材のシャドーイング|意味が取れない音を追いかけても、処理は自動化しません。

基礎の段階で成果を測る相手は、他人ではなく先週の自分です。

いま自分がどのあたりにいるかを短時間で掴みたい場合は、無料でできる英語テスト!おすすめのレベルチェックアプリ・ウェブサイトを徹底解説!で目的別に13種を整理しています。

まとめ|終わりを決めれば、基礎固めは終わる

  • 終わらないのは意志の問題ではなく、終了条件が無いから。
  • 社会人の基礎は3つ。文の骨組み・頻出語1,000〜1,500・音のルール。
  • 終わりの判定は、主語と動詞で置ける/1文に知らない語が2つ未満/聞いて文字に戻せる。
  • 音を後回しにしない。1日10分でいいので最初から混ぜる。
  • 基礎の段階では、分厚い文法書・試験対策・難しい教材を外す。

基礎が固まったあとの進み方は、英語学習ロードマップ|いま自分がどの段階にいるかを先に決めるで確認してください。次に何をやるかを1つに絞れます。

やり直しそのものが続かない場合は、英語をやり直したい大人へ。「根性」より「順番」が、最短で話せるようになる理由もあわせてどうぞ。

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