TOEICの結果が返ってきて、去年より点数が上がっていました。700点です。
うれしい反面、これがどのくらいの英語力を示すのか、分かりにくいですよね。
「B1? B2? 英検だと何級くらい?」
そう思ったことはありませんか?
換算表は、その疑問に答えてくれます。ただし「TOEIC700点=英検◯級=B2」と1本の線で結べるものではありません。
測っているものが違うからです。ここでは公式の数値を並べたうえで、換算で分かることと分からないことを整理します。
CEFRとTOEIC L&Rの対応(ETSの公式マッピング)
TOEICを実施しているETSは、CEFRの各レベルに対応する最低スコアを公開しています。
| CEFR | 合計の参考値 | Listeningの目安 | Readingの目安 |
| C1 | 945 | 490 | 455 |
| B2 | 785 | 400 | 385 |
| B1 | 550 | 275 | 275 |
| A2 | 225 | 110 | 115 |
| A1 | 120 | 60 | 60 |
出典:ETS Global「TOEIC L&RとCEFRの対応表」(2026年9月確認)。合計欄は技能別の目安を足した参考値です。
この表には、作った側からの注意書きが3つ付いています。
- 合計スコアの範囲は、ListeningとReadingそれぞれのカットスコアを足して推定したもの
- ETSは、合計1つで判断するより、ListeningとReadingを別々にCEFRで見ることを勧めている
- カットスコアを厳密な合否ラインとして使うことは勧めていない
たとえば合計700点は、表の参考値では550点と785点の間にあります。ただし、それだけで「この人はB1で、B2には届いていない」とは決められません。ListeningとReadingの内訳を見て、それぞれの目安と照らすほうが、次にどちらを伸ばすか考えやすくなります。
CEFRと英検の対応(文部科学省の対照表)
英検は4技能のCSEスコアをもとに、総合と技能別のCEFRを示します。下の表は文部科学省が平成30年(2018年)に公表した対照表です。現在の成績の確認には、受験級ごとの算出範囲も含めて英検の成績表を見てください。
| CEFR | 英検CSEスコア | 各級の合格スコア | TOEIC L&R+S&W |
| C1 | 2600〜3299 | 1級 2630 | 1845〜1990 |
| B2 | 2300〜2599 | 準1級 2304 | 1560〜1840 |
| B1 | 1950〜2299 | 2級 1980 | 1150〜1555 |
| A2 | 1700〜1949 | 準2級 1728 | 625〜1145 |
| A1 | 1400〜1699 | 3級 1456 | 320〜620 |
出典:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」(平成30年3月)。英検の現行の表示条件は英検協会のCSE・CEFR案内を確認。
表では2級の合格基準1980がB1帯、準1級の合格基準2304がB2帯に入ります。ただし、級の名前をそのまま4技能それぞれのCEFRに置き換えることはできません。英検の4技能総合CEFRは4技能をすべて受験した成績に表示され、受験級ごとに算出できる範囲も決まっています。自分の結果は、合格級だけでなく成績表の総合・技能別表示で確かめてください。
見間違えやすい点|右端の列はL&Rのスコアではない
上の表の右端を見て「TOEIC1560点でB2?」と思った人もいるはずです。
この列はTOEIC L&RとS&W(スピーキング・ライティング)を合算したスコアです。しかもS&Wのスコアを2.5倍してから足す、という計算をします。
- TOEIC L&R … 990点満点
- TOEIC S&W … 400点満点(これを2.5倍する)
- 合算 … 最大1990点
つまりL&Rしか受けていない人は、この列では判定できません。
ここを取り違えて「TOEIC L&RでB2は1560点」と読むと、L&Rの満点990点と矛盾します。L&Rだけを受けたなら、上のETSの技能別の目安を参照し、ListeningとReadingを分けて確認してください。合計785点だけでB2と判定するものではありません。
換算表で分かること、分からないこと
数字を並べると、同じレベルでも中身が違うことが見えてきます。
TOEIC L&Rは、聞く力と読む力だけを測っています。話す力と書く力は、1点も入っていません。
一方CEFRは、話す・書くを含めた「何ができるか」の枠組みです。英検も4技能を測ります。
だから、こういうことが普通に起きます。
- TOEIC L&Rの合計が800点でも、会議で発言する力はその結果からは分からない
- 英検の総合CEFRと、リスニングの技能別CEFRが異なる
- TOEICは600点台なのに、実務の英語では困っていない
換算表が示すのは「その試験で測った範囲での位置」です。総合的な英語力が同じという意味ではありません。
ETSも、合計点から一つのレベルを推定するより、ListeningとReadingを別々に見ることを勧めています。
次に伸ばす技能は、使いたい場面から決める
一つのスコアや、最も低い技能だけで、その人の英語力全体を決める必要はありません。読む・聞く・話す・書くで、できることには差があります。
たとえば会議で発言したいなら、読む力が高くても話す場面で止まるところを確認します。英文資料を読むのが目的なら、同じ人でも見るべき技能は変わります。換算表で位置をつかんだら、自分が英語を使う場面に必要な技能を一つ選ぶ。そのほうが、次の練習を決めやすくなります。
いま何が弱いかを短時間で掴みたい場合は、無料でできる英語テスト!おすすめのレベルチェックアプリ・ウェブサイトを徹底解説!で、目的別に13種を整理しています。技能別に測れるものを選んでください。
受験する試験そのものを選び直したい場合は、英語検定の徹底ガイド!ビジネスパーソンや学生におすすめの試験を紹介します!で並べて比較しています。
レベルを上げるのにかかる時間
換算表のスコア差を、そのまま必要な学習時間には置き換えられません。同じB1からB2を目指す場合でも、出発点や学習内容によってかかる時間には幅があります。
スコアがしばらく動かないときは、時間だけで判断せず、どの技能が伸びていないかを確かめてください。
レベル別の時間の幅と数え方は英語習得に必要な時間の目安で確認できます。
いま自分がどの段階にいて、次に何をやるかは英語学習ロードマップ|いま自分がどの段階にいるかを先に決めるで決められます。
まとめ|換算表は地図であって、実力の証明ではない
- TOEIC L&RはETSの技能別の目安を見る。合計550点・785点は参考値で、個人の総合CEFRを決める線ではない。
- 文科省の表の右端はL&R+S&Wの合算。L&Rだけの人はこの列では判定できない。
- 英検の表では2級の合格基準がB1帯、準1級の合格基準がB2帯。実際のCEFR表示は4技能の成績表と受験級の算出範囲で確認する。
- TOEIC L&Rは話す力・書く力を測っていない。同じB2でも中身は違う。
- 次に伸ばす技能は、最も低い技能と決めつけず、英語を使う場面から選ぶ。
数字は「いまどこにいるか」を知るために使い、次に何をやるかを1つ決める。それが換算表のいちばん実用的な使い方です。
なお、各試験のスコアや対応表は改定されることがあります。受験や申請に使う場合は、必ず各試験の公式サイトで最新の情報を確認してください。
スコアをまだ持っていない場合は、英語レベルの簡易診断|テストを受けずに、いまの段階を決めるで行動から判定できます。テストを受ける前の現在地確認に使えます。
スコアをレベルに読み替えたあと、次の学習をどう決めるかは英語の資格・試験は「測って次を決める」ために使う|スコアの読み方と選び方で扱っています。

