英語をゼロから独学する順番|フランス語4カ月の実録から考える

英語学習ロードマップ

英語をやり直そうと思っても、発音、文法、単語、リスニング、英会話と、やることが一度に並ぶと、何から始めるか迷いますよね。早く話せるようになりたいからこそ、遠回りは避けたいところです。

わたしがゼロから独学したのは英語ではなく、フランス語です。3カ月目には言いたいことをある程度フランス語の文にできるようになり、4カ月目の旅行では、列車で隣り合った人と2時間話しました。この記事では、その4カ月に実際にしたことと、英語学習に持ち帰るときの考え方を分けてお話しします。同じ期間で同じ結果になるという話ではありません。

「ボンジュール」と「メルシー」から始めた4カ月

10年ほど前、フランス語を独学で始めたとき、知っていた言葉は「ボンジュール」と「メルシー」くらいでした。目標は、フランス人と自然に会話ができるようになること。そのために、まず発音と文法を学び、自分の言いたいことを声に出して作る練習を重ねました。

3カ月目には、言い間違いや分からない単語はあっても、自分の言いたいことをある程度フランス語の文にできる感覚がありました。ただ、この時点ではまだフランス人と会話をしていません。実際の対話がどうなるかは、旅行に出るまで分からなかったのです。

4カ月目、フランス旅行中の列車で隣に座った人と、2時間ほど話しました。Wi-Fiのパスワードが通らない、予約した列車がキャンセルになる。そんな場面もフランス語で乗り切れました。「パリに何年住んでもフランス語が話せない日本人は多いのに、あなたのフランス語は素晴らしい」と言ってもらったときの、くすぐったくて誇らしい気持ちは今も覚えています。

完璧に話せたわけではありません。それでも、「フランス人と会話する」という自分の目標には届いたと感じました。この経験は大切にしています。一方で、列車で長く話せたことだけで、読む・書く・聞く・話すを含めた総合的な語学レベルまで決まるわけではありません。

4カ月に何をしたか|わたしの学習記録

時期 主に取り組んだこと その時点で確かめたこと
1カ月目 発音のルール、文法の全体像、訳の付いた音声 見た語をどう発音するか、文の基本的な形
2カ月目 学んだ文法で、言いたい文を声に出して作る 知っているルールを自分の文に使えるか
3カ月目 複数の文法を組み合わせ、独り言で話す 言いたいのに言えない語や形は何か
4カ月目 旅行中の実際の会話 相手の返答を受け、自分の意図を伝えられるか

これは、各月に達するべきレベルを決めた表ではありません。わたし自身が何をしたか、その順番の記録です。とくに「4カ月目から会話を始める」を、誰にでも勧める規則にはしません。

1カ月目|音と文の形を先に見た

最初の1〜2週間は、発音のルールに重点を置きました。新しい単語を見たとき、どんな音で読めばよいか知りたかったからです。発音がすべてできてから次へ進んだわけではなく、初日からフランス語の音声も聞いていました。

発音の全体像をつかんだあと、文法のテキストを1冊通しました。最初から細部を100%理解しようとはせず、どんな形の文があるのかを先に見たかったのです。音声は日本語訳が付いた例文集を使い、あとから意味を確認できるものを選びました。聞いているだけで意味が身につくと考えたわけではありません。

2カ月目|知っているルールで、自分の文を作った

文法書を読み終えても、自分の言いたいことがすぐに出てくるわけではありません。そこで、学んだ形を使って、言いたい文をその場で作るようにしました。英語なら、be動詞を見たあとに「I am tired.」「My brother is kind.」のように、自分の生活にある内容へ置き換える練習に近いものです。

紙に長い作文を書くより、声に出して文を組み立てました。言いたい単語が分からなければ調べ、発音も確認します。たとえば「We are friends.」を「We are friend.」と言ってしまったら、その場で話すことをやめる必要はありません。ただ、あとで複数形の抜けに気づいたら直す。流れを止めずに話す時間と、形を確かめる時間を分けていました。

聞き慣れた例文にも、学んだ語や文法が出てくるようになりました。分かったつもりで流さず、訳と照らして確かめられる教材だったことが、わたしには使いやすかったです。

3カ月目|言いたいのに言えないところを拾った

一つの文法事項だけで文を作る練習から、複数の形を組み合わせる練習へ移りました。たとえば電車の中で「前に座っている男性が祖父に似ている」と思ったとします。英語なら「The man sitting in front of me looks like my grandfather.」と言えます。この文には、「前に座っている」で男性を説明する形と、「似ている」を表す言い方が必要です。

頭の中の独り言を声に出してみると、知っているつもりでも、使う段になると出てこない語が見つかります。まずは一文。慣れたら「明日の予定」「好きな映画」のような話題で、少し続けてみる。話しながら気になった箇所を全部その場で調べるのではなく、あとで使いそうな語や形を選んで確認しました。

それまで繰り返し聞いた音声は、内容をかなり覚えていました。これはわたしが使った教材で起きた変化です。どの音声でも、意味が分からないまま聞き続ければ同じようになる、という意味ではありません。

4カ月目|相手のいる会話で初めて分かったこと

旅行で人と話し始めると、一人で文を作る練習とは違い、相手の返答を聞いて、その場で次の言葉を選ぶ必要がありました。心配だったのは、聞き取れるか、自分の発音や言いたいことが伝わるか。完璧ではありませんでしたが、旅行中のトラブルを説明し、列車の中でも会話を続けられました。

わたしは3カ月ほど一人で準備してから対話に入りました。でも、最初から会話を試す人が間違っているわけではありません。対話では、伝わらなかったところを聞き返されたり、別の言い方を知ったりできます。自分の文を準備する練習と、人と話して確かめる練習は、どちらか一方だけにする必要はないのです。

英語をゼロから学ぶなら、何を持ち帰れるか

フランス語でわたしがたどった4カ月を、そのまま英語の予定表にすることはできません。英語は学校で学んだ経験があっても、残っている知識や、いま使える技能は人によって違います。まずは「何も知らないはず」と決めず、短い文を読んで意味が分かるか、聞いて音を捉えられるか、自分の言いたい文を作れるかを分けて見てください。

文の形が分からなければ、基本文法と音を一緒に確かめるところから。読めるけれど口から出てこないなら、知っている形で自分の文を声に出してみる。ひとりでは文が作れても対話で止まるなら、相手の返答を受ける練習を入れる。始める場所は、暦ではなく、いま止まる場所で決められます。

何カ月でどの段階に届くかを考えるときは、学習時間の数え方と幅も確認しておくと計画を立てやすくなります。英語学習に必要な時間の目安では、出発点と学習条件を分けて説明しています。

まとめ|4カ月の実録を、あなたの予定表にはしない

わたしがフランス語を学んだ順番は、音と文の形をつかみ、自分の言葉を作り、独り言で不足を見つけ、実際の会話で確かめる、というものでした。4カ月目の列車で2時間話せたことは、今も大切な経験です。

でも、その4カ月という数字を、あなたの英語学習の締切にしなくて大丈夫です。まず短い文を一つ、自分の言いたい内容で声に出してみる。そこで止まったのが音なのか、語なのか、文の形なのか、相手の返答なのか。次に手をつけるところは、その一文から見えてきます。

あわせて読みたい

タイトルとURLをコピーしました