英単語を一つずつ読めば、発音は合っているはずなのに、例文になると教材の音声と違って聞こえることがあります。
同じように読もうとしても、単語と単語の間で止まってしまい、英語らしい流れになりません。
このとき見直したいのは、単語一つの発音だけではなく、数語がまとまったときの音です。英語の発音をチャンクで捉えると、どこを聞き、どこを練習すればよいかが分かりやすくなります。
チャンクとは、意味と音のひとまとまりです
チャンクとは、会話の中でひとまとまりとして使う数語のかたまりです。
たとえば、”I want to go home.”をすべて1語ずつ区切るのではなく、”want to go”を「行きたい」という意味のまとまりで捉えます。意味だけでなく、実際の会話で続けて発音される音も一緒に覚えるのが、チャンクで発音を練習するということです。
単語の発音練習が不要になるわけではありません。単語単体では一つひとつの音を確認し、チャンクでは、その音が文の中でどう弱まり、どうつながるかを確認します。役割が違います。
単語をつなげると、辞書で聞いた音から変わります
自然な速さの英語では、すべての単語を辞書の音声と同じ強さで発音するわけではありません。強く読む語と弱く読む語があり、隣り合う音も影響し合います。こうした文中で起きる一連の音の変化をconnected speech(連結音声)と呼びます。
たとえば、”want”と”to”を別々に聞けば、それぞれの音は確認できます。ただし、”I want to go.”のような文では、強勢を置かない”to”の母音が弱くなり、/tə/に近づくことがあります。
“want to”は必ず「ワナ」になる、とカタカナで固定する必要はありません。話す速さ、強勢、前後の音によって聞こえ方が変わるからです。覚えたいのは一つのカタカナ表記ではなく、文の中では単語の音が変わることと、その変化を元の音声で確かめる習慣です。
チャンクの中で起きる3つの音の変化
チャンクの音を聞くときは、次の3つに目を向けると、単語単体との違いを見つけやすくなります。
- 連結|”get on”のように、前の語の子音と次の語の母音が続いて聞こえます
- 脱落|”must be”のように、子音が続く箇所で/t/などが聞こえにくくなることがあります
- 同化|”red paint”のように、前の音が次の音に近づいて変化することがあります
どの変化も、つづりを見ただけで毎回同じ音になると決めるものではありません。まず音声を聞き、「ここが弱い」「ここがつながっている」と、変わった場所を見つけます。
音声変化の種類を詳しく確認したい場合は、【決定版】英語の音声変化ルール全まとめ|リスニングの壁を「ロジック」で破壊する全22法則もあわせて読んでみてください。ルール名を増やすためではなく、聞こえなかった箇所を調べる辞書のように使えます。
よく使うチャンクを、元の音声と比べて練習します
練習するチャンクは、一度にたくさん集めなくてかまいません。いま使っている音読やシャドーイングの教材から、自分でも使いそうなものを一つ選びます。
- 音声つきの短い例文から、意味のまとまりを一つ選びます
- 文字を見ながら聞き、弱くなる音、つながる音、消えたように聞こえる音を探します
- 単語ごとに止めず、そのまとまりのまま元の音声をまねします
- 自分の音声を録音し、元の音声と違う場所を一つだけ直します
大切なのは、正解のカタカナを作ることではなく、耳で確認した音をまとまりのまま再現することです。1語ずつなら読めるのに例文で止まる場合も、直す場所を「発音が苦手だから」という大きな括りではなく、具体的なつなぎ目まで絞れます。
チャンクを語順のまとまりとして覚える考え方は、英語の語順が崩れがちな人へ:チャンク記憶でロックする方法で扱っています。語順と音を同じまとまりで覚えると、「どの単語をどう並べるか」だけでなく、「このまとまりをどう発音するか」という単位で話す練習ができます。
聞き取れないときの見直し方も変わります
チャンクで音を捉えられるようになると、聞こえなかった理由を「知らない単語だった」で終わらせずに済みます。知っている単語でも、弱くなったのか、前後とつながったのか、別の音に近づいたのかを確かめられるからです。
発音練習で見つけた変化は、次に同じチャンクを聞くときの手がかりになります。話す練習と聞く練習を別々に増やすのではなく、一つの音声を使って両方を見直せます。
まずは、今日使った教材から一つだけチャンクを選んでみてください。単語を正しく読むところで終わらず、「文の中ではどう聞こえるか」まで確かめると、次に直す場所が具体的になります。
