発音が通じない原因は、口の器用さではありません。個々の音・リズム・自分の音を判定する力の、どれが足りないかで直し方が変わります。
こんな経験はありませんか?
会議で一度言い直す。
それでも伝わらず、結局チャットに打ち込む。
相手は笑顔で “Ah, OK!” と言う。
その瞬間、次の発言をやめようと思う…。
発音の練習を始めても続かないのは、どこを直せばいいのかが分からないまま、全部を直そうとするから。
ここでは、通じなさの原因を3つに分けます。
通じない原因は3つに分かれる
発音が相手に届くまでに、こういう要素が関わっています。
- 個々の音|/r/ と /l/ のように、区別すべき音が区別できているか
- リズム|強く読む語と弱く読む語の差、語と語のつながり
- 判定|自分の音が合っているかどうかを、自分で確かめられるか
このうち3番目が抜けていると、1と2をいくら練習しても直っているか分かりません。
だから発音は、判定の仕組みから作ります。
切り分けの方法|同じ文を録音して並べる
手本の音声がある英文を1つ選び、次の順で確かめます。
- 手本を聞いてから、自分でも同じ文を録音する
- 手本 → 自分 → 手本 の順で続けて聞く
- 違って聞こえた箇所を書き出す
結果はこう分かれます。
- 特定の語だけ違って聞こえる → 個々の音の問題(パターン1)
- 語は合っているのに、全体が平坦に聞こえる → リズムの問題(パターン2)
- どこが違うのか分からない → 判定の問題(パターン3)
3番目だった場合は、そこから始めます。
先に一覧で示します。当てはまるものを1つ選んでください。
| パターン | こういう状態 | 最初にやること |
| 1|個々の音が区別できていない | /r/ と /l/、/θ/ と /s/ のような、日本語にない音が作れない | 聞き分けから始め、そのあと口の形を位置で覚える |
| 2|リズムが平坦 | 1語ずつは正しく言えているのに、通じない | 強く読む語を決めてから、文を読む |
| 3|自分の音を判定できない | 録音を聞いても、どこが違うのか分からない | 手本と自分の録音を、間を空けずに並べて聞く |
パターン1|個々の音が区別できていない
日本語にない音は、意識して作らないと出ません。/r/ と /l/、/θ/ と /s/ が代表です。
大事なのは、その音を自分の耳で聞き分けられるかどうかが先だという点です。区別して聞けない音は、出しても合っているか確かめられません。
最初にやること:聞き分けから始め、そのあと口の形を位置で覚える。
手順は英語の発音練習のやり方|自分の音を判定できない人のための4段階にまとめました。先に直すべき音を5つに絞ってあります。
音の体系そのものを入れ直すなら大人がフォニックスをやり直す理由。子ども向けとは「目的」が根本的に違うへ。
パターン2|リズムが平坦
1語ずつは正しく言えているのに、通じない。この場合はリズムです。
英語は、内容語を強く長く、機能語を弱く速く読みます。全部を同じ強さで発音すると、相手は語の切れ目を見つけられません。
最初にやること:強く読む語を決めてから、文を読む。
名詞・動詞・形容詞を強く、前置詞や冠詞を弱く。それだけで伝わり方が変わります。
語と語のつながり方は【決定版】英語の音声変化ルール全まとめ|リスニングの壁を「ロジック」で破壊する全22法則にルールとしてまとまっています。
パターン3|自分の音を判定できない
録音を聞いても、どこが違うのか分からない。これは耳の枠がまだ足りない状態です。
自分の発音は、自分の中では正しく鳴っています。区別できない音は、ずれていること自体に気づけません。
最初にやること:手本と自分の録音を、間を空けずに並べて聞く。
自分の声だけを聞き返しても差は見えません。直後に手本を鳴らすと、違いが出ます。
それでも残る癖は、外から指摘してもらう必要があります。どこまで一人で進められるかは英語の独学はどこで限界が来るのか|コーチングを使うべき人・使わなくていい人で切り分けています。
よくある質問
ネイティブのような発音を目指すべきですか
必要ありません。目指すのは、聞き返されない状態です。
どの場面でどこまでの精度が要るかは英語の発音は重要なのか?ケース別に解説し、発音向上の方法も紹介!で整理しています。
発音アプリの判定は信用できますか
合っているかどうかの判定には使えます。ただしどこをどう直すかまでは、多くのアプリが教えてくれません。
無料でどこまで使えるかは英語の発音練習アプリ8選|本当に無料で使えるのはどれか【比較表つき】で比較しました。
大人になってからでも直りますか
直ります。子どもと違うのは、感覚ではなく位置と理屈で覚える必要がある点です。
舌の位置、息の出し方。手順として理解できれば、緊張した場面でも再現できます。
次にやること
まず同じ文を録音して、手本と並べて聞いてみてください。違いが分かるかどうかで、始める場所が決まります。
分かったら、そのパターンの「最初にやること」を1つだけ実行します。全部の音を同時に直そうとすると続きません。

