英語の発音練習のやり方|自分の音を判定できない人のための4段階

発音

発音アプリを入れて、判定を受ける。

“Try again.”
もう一度言う。
また “Try again.”

何が違うのか、分からない。

「自分では正しく言っているつもりなのに」

そう感じたことはありませんか?

通じないのは、口が不器用だからではありません。その音を、自分の耳がまだ区別できていないからです。

区別できない音は、出しても自分で確かめられません。発音練習は、この順番を守るかどうかで結果が変わります。ここでは4段階に分けて整理します。

なぜ自分の発音は自分で判定できないのか

人は、自分が知っている音の枠に当てはめて聞いています。日本語で育った耳は、英語の音を日本語の音として受け取ります。

たとえば light と right は、日本語のラ行という1つの枠に入ります。枠が1つしかないので、自分がどちらを言ったのかも区別がつきません。

だから「正しく言っているつもり」が起きます。本人の耳の中では、確かに正しく鳴っています。

先に耳の枠を増やす。それから口を動かす。この順番でないと、練習した時間がそのまま自己流の固定に使われます。

発音練習の4段階

段階を飛ばすほど、遠回りになります。順に見ていきます。

段階1|聞き分けられるか確かめる

まず、対象の音を2つ並べて聞きます。light / right、think / sink、hat / hut のように、1音だけ違う語のペアです。

音声を聞いて、どちらかを当てる。これを続けると、はじめは同じに聞こえた2つが、別の音として分かれてきます。

正答が安定するまで、口を動かす練習に進まないでください。聞いて分からない音は、出しても合っているか判定できません。

聞き取りの土台そのものが弱いと感じる場合は、「読めばわかるのに聞き取れない」大人のためのリスニング「音声知覚」3ステップを先に読んでください。

段階2|口の形を決める

次に、その音を出すときの舌と唇の位置を確認します。感覚ではなく、位置で覚えます。

  • /r/|舌先はどこにも触れません。奥に引いて丸めます。日本語のラ行は舌先が歯ぐきを打つので、別の動きです。
  • /l/|舌先を上の歯ぐきにつけたまま声を出します。つけ続けるのがポイントです。
  • /θ/|舌先を上下の歯で軽く挟み、息を出します。声は出しません。
  • /æ/|口を横に開き、舌を低く前に置きます。日本語のアより口が広く開きます。

鏡を見ながら1音ずつ確認します。音の良し悪しではなく、位置が合っているかだけを見てください。位置が正しければ、音は後からついてきます。

なぜ大人にこの工程が要るのかは、大人がフォニックスをやり直す理由。子ども向けとは「目的」が根本的に違うで扱っています。

段階3|単語から文へ広げる

1音が出せるようになったら、単語、そして文へ移します。ここで別の問題が出てきます。

英語の文は、すべての語を同じ強さでは読みません。名詞や動詞は強く、前置詞や冠詞は弱く読まれます。

通じない原因は、個々の音より強弱にあることが多いです。1語ずつ丁寧に発音すると、かえって聞き取りにくくなります。

語と語がつながる部分も、ここで扱います。ルールは【決定版】英語の音声変化ルール全まとめ|リスニングの壁を「ロジック」で破壊する全22法則にまとめてあるので、練習中に迷ったら参照してください。

段階4|録音して照合する

最後に、自分の音を外から確認します。手順は3つです。

  • 手本の音声と同じ文を、自分でも録音する
  • 手本 → 自分 → 手本 の順で、続けて聞く
  • 違って聞こえた箇所だけを、段階2に戻して直す

自分の声だけを聞き返しても、ずれには気づけません。直後に手本と並べて聞くから、差が見えます。

この工程で見つかるのは、段階1で聞き分けられるようになった音だけです。だから最初の段階を飛ばせません。

先に直す音は5つでいい

英語の音をすべて練習する必要はありません。日本語話者が通じにくくなる原因は、いくつかに集中しています。

  • /r/ と /l/|語頭で混ざると、別の単語として受け取られます。
  • /θ/ と /s/|think が sink に聞こえると、文の意味が変わります。
  • /æ/ と /ʌ/|hat と hut の区別です。日本語のアに寄せると、どちらとも取れなくなります。
  • あいまい母音|about や support の弱い部分です。ここを強く読むと、英語のリズムから外れます。
  • 語末に母音を足さない|good を「グッド」と読むと、実際には無い母音が最後に付きます。

最後の1つは、日本語話者にいちばん多い形です。子音で終わる語は、子音のまま止めます。

この5つが直ると、通じなさの多くは減ります。残りの音は、必要になった時点で足していけば足ります。

ネイティブと同じ発音を目指すべきか

目標にする必要はありません。英語には多くのなまりがあり、それぞれの話し手が異なる音で話しています。

目指すのは、相手が聞き返さずに意味を取れる状態です。なまりが残っていても、区別すべき音が区別できていれば通じます。

このあたりの線引きは、英語の発音は重要なのか?ケース別に解説し、発音向上の方法も紹介!でケース別に整理しています。仕事で使う場面かどうかで、必要な精度は変わります。

練習に使うもの

必要なのは、手本の音声と、自分の声を録音できる環境だけです。スマートフォンがあれば足ります。

判定を機械に任せたい場合は、発音を採点するアプリを使う方法もあります。無料の範囲でどこまでできるかは、英語の発音練習アプリ8選|本当に無料で使えるのはどれか【比較表つき】で比較しました。

ただし、アプリの判定は「合っているか」を返すだけで、どこをどう直すかまでは教えてくれないことがあります。直し方の部分は、段階2の口の形に戻って自分で調整します。

まとめ|順番を守れば、練習は短くて済む

  • 自分の音を自分で判定できないのは、耳の枠が足りないから。聞き分けが先。
  • 段階は4つ。聞き分け → 口の形 → 単語と文の強弱 → 録音して照合。
  • 口の形は感覚ではなく位置で覚える。鏡で確認する。
  • 先に直すのは5つ。/r/と/l/、/θ/と/s/、/æ/と/ʌ/、あいまい母音、語末の余分な母音。
  • 目標はネイティブと同じ音ではなく、聞き返されない状態。

音の練習を学習全体のどこに置くかは、英語勉強法は「順番」が9割。SLAが導く大人のための4ステップで確認してください。

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