英語で単語が出てこないと、もっと語彙を増やさなきゃ‥と思いませんか?
実は、原因は語彙量だけではありません。
在庫がない・取り出せない・文に組み込めないの3つで、やることが変わります。
会議で意見を求められる。
言いたいことは頭にある。
なのに、口から出るのは “I think…” だけ。
「やっぱり単語力が足りないんだ」と思う。
そうとは限りません。あとで思い出せたなら、その語は在庫にあったということです。問題は覚えた数ではなく、出す工程のどこかにあります。
ここでは、その工程を3つに分けます。
単語が出るまでには3つの工程がある
言いたいことが英語になるまでに、頭の中ではこう動いています。
- 在庫|その意味に対応する語を、そもそも知っているか
- 取り出し|知っている語を、必要なときに思い出せるか
- 組み込み|思い出した語を、文の形に入れられるか
どこで止まっても、結果は同じ「単語が出てこない」になります。だから対処も変わります。
単語帳を増やすのは、1番目が原因のときだけ有効です。
切り分けの方法|10文つくると分かれる
判定は簡単です。
- 仕事で言いそうなことを、日本語で10文書き出す
- 辞書を見ずに、口頭で英語にする
- 詰まった文を、下の3つに分類する
分類の基準はこうなります。
- 辞書を引いても知らない語だった → 在庫の問題(パターン1)
- 辞書を引いたら「知ってる」と思った → 取り出しの問題(パターン2)
- 語は浮かんだのに文にならなかった → 組み込みの問題(パターン3)
多くの人は2番目が最も多くなります。覚えた語が、使える形になっていない状態です。
一覧で示します。当てはまるものを1つ選んでみましょう。
| パターン | こういう状態 | 最初にやること |
| 1|在庫がない | 辞書を引いて、初めて見る語が続く | 語を単体ではなく、つながりで覚える |
| 2|取り出せない | 辞書を見た瞬間に「知ってる」と思う | 日本語を見て、2秒以内に英語を口に出す練習を入れる |
| 3|文に組み込めない | 語は浮かんでいる。ところが、その語を使った文が作れない | 文の型を先に決めて、そこに語を載せる |
パターン1|在庫がない
辞書を引いて初めて見る語が続く場合は、語彙を増やす段階です。
ただし、増やし方には条件があります。意味だけを覚えた語は、会話では出てきません。
最初にやること:語を単体ではなく、つながりで覚える。
“make a decision” “meet the deadline” のように、動詞と名詞の組み合わせで入れます。文にするときの迷いが減ります。
やり方は英語の語彙2,000→4,000:コロケーションで倍速増強する方法にまとめました。
読む量から増やす道もあります。イラスト多読で語彙は増えるのか|1日5分から始める人の教材の選び方で、多読で伸びるものと伸びないものを整理しています。
パターン2|取り出せない
辞書を見た瞬間に「知ってる」と思う。これがいちばん多い形です。
在庫はあるのに、必要な場面で検索が終わりません。理由は、その語を読んで理解する形でしか使ったことがないからです。
最初にやること:日本語を見て、即座に英語を口に出す練習を入れる。
考えれば出る、では会話に間に合いません。2秒以内に出る状態まで持っていきます。
手順は瞬間英作文の効果的なやり方|会話で出てこない人がやっている3つの間違いにあります。暗記にならないための判定方法も書いてあります。
反応の速度そのものを上げたい場合は英語の瞬発力を高める方法|知っているのに言葉が出てこない人へへ。
パターン3|文に組み込めない
語は浮かんでいる。ところが、その語を使った文が作れない。
原因は、語を単体で覚えていて、どんな形の文に入るのかを一緒に持っていないことです。
最初にやること:文の型を先に決めて、そこに語を載せる。
“I’d like to ~” “We need to ~” のような型を10個持っておくと、浮かんだ語をすぐ載せられます。
型の作り方は英語の語順が崩れがちな人へ:チャンク記憶でロックする方法に、文の骨組みそのものは英語5文型|ビジネスで使う骨組み。「うーん」を止めて言葉を走らせる完全ガイドにあります。
よくある質問
単語帳は効果がありますか
在庫を増やす目的なら有効です。ですが、取り出しの速度は、単語帳では上がりません。
覚えた語を口に出す工程を、別に用意しましょう。
語彙は何語あれば足りますか
日常のやりとりなら2,000〜3,000語、仕事の会話で困らない水準で4,000〜5,000語が一つの目安です。
ただし「知っている語」と「使える語」は別に数えてください。使える語は、たいていその半分以下です。
専門用語はどう覚えますか
自分の分野の資料を英語で読むのが最短です。頻度の高い語が自然に絞られます。
一般語彙より優先度は高くなります。会議で出てくる語は限られているためです。
次にやること
まず10文つくって、詰まった箇所を分類してください。それだけで、単語帳を買うべきかどうかが決まります。
分類したら、そのパターンの「最初にやること」を1つだけ実行します。
それでも、会話の最中に出てこない語は残ります。その場は、知っている語で説明して切り抜けられます。やり方は英語で単語が出てこないときは、言い換えて乗り切る|パラフレーズという技術 で扱っています。
出てこない状態が続くと、自分の英語力を実際より低く見積もりがちです。どこまで独学で進められるかは英語の独学はどこで限界が来るのか|コーチングを使うべき人・使わなくていい人で切り分けています。

