英文を書いていて、逆接を入れたくなる。
but だと軽い気がして、辞書を引く。
nonetheless と nevertheless が並んで出てくる。
どちらも「それにもかかわらず」。
「で、どっちを使えばいいんだ」
心当たりはありませんか?
この2つは、意味で選び分けるものではありません。実際に減点されるのは、語の選択ではなくつなぎ方のほうです。
先に結論を書きます。意味はほぼ同じで、迷ったら nevertheless で構いません。問題はその手前にあります。
本当に間違えるのは「つなぎ方」
次の文は、英語として成立していません。
✕ He was tired, nonetheless he continued working.
意味は通りますが、文法的に誤りです。nonetheless も nevertheless も接続詞ではなく副詞だからです。
副詞には、2つの文をつなぐ力がありません。カンマ1つで独立した文をつなぐと、コンマ・スプライスという誤りになります。
正しくは次のどちらかです。
◯ He was tired; nonetheless, he continued working.
◯ He was tired. Nonetheless, he continued working.
セミコロンで区切るか、文を分けるか。この2択です。
but や yet なら、カンマでつなげる
同じ逆接でも、品詞が違えばつなぎ方が変わります。
| 語 | 品詞 | 2文をカンマでつなげるか |
| but / yet | 接続詞 | つなげる(He was tired, but he continued.) |
| nonetheless / nevertheless | 副詞 | つなげない(セミコロンか、文を分ける) |
| however / therefore / moreover | 副詞 | 同じく、つなげない |
however で同じ間違いをしている人は多いはずです。原因は1つで、「意味が接続詞っぽい副詞」をまとめて覚えていないことです。
nonetheless と nevertheless の違い
意味の差はほぼありません。どちらも「それにもかかわらず」で、大半の文脈で入れ替えられます。
違いとして挙げられるのは次の2点です。
- 使用頻度は、一般に nevertheless のほうが高いとされます。
- nonetheless は none the less と3語で書かれることがあります(主にイギリス英語・やや古い書き方)。
どちらもフォーマル寄りの語です。「nonetheless はカジュアル」という説明を見かけますが、日常会話でどちらかを使うことはほとんどありません。会話で逆接を入れるなら、後述の but や still のほうが自然です。
迷ったときは、頻度の高い nevertheless を選んでおけば外しません。
置ける位置は3つある
副詞なので、文の中で動かせます。位置が変わっても意味は変わりませんが、リズムが変わります。
- 文頭:Nonetheless, he continued working.
- 主語のあと:He, nonetheless, continued working.
- 文末:He continued working nonetheless.
基本は文頭です。主語のあとに挟む形は硬く、書き言葉向きです。文末に置くとカンマを省くことが多く、話し言葉に近くなります。
例文
- He was tired; nonetheless, he continued working.
(彼は疲れていた。それにもかかわらず、仕事を続けた。) - It was raining; nonetheless, we went hiking.
(雨が降っていた。それにもかかわらず、私たちはハイキングに行った。) - She didn’t study much; nonetheless, she passed the exam.
(彼女はあまり勉強しなかった。それにもかかわらず、試験に合格した。) - The plan is expensive. Nevertheless, it is worth trying.
(その計画は高くつく。それでもなお、試す価値がある。) - The data was limited. The conclusion is, nevertheless, convincing.
(データは限られていた。それでもなお、結論には説得力がある。)
いずれも、前半と後半で流れが反転しています。この反転を読み手に予告するのが、この語の役割です。
会話ではどう言うか
話し言葉で nonetheless を使うと、硬く響きます。同じ内容は次の語で足ります。
- but|最も軽い。カンマで文をつなげます。
- still|「それでも」。副詞ですが、文頭で軽く使えます。
- even so|「そうだとしても」。相手の発言を受けて反論するときに便利です。
- that said|「とはいえ」。自分の直前の発言を和らげます。
書くときは nevertheless、話すときは still か even so。この住み分けで困ることはほとんどありません。
まとめ
- nonetheless と nevertheless は、意味でほぼ区別しない。迷ったら nevertheless。
- どちらも副詞なので、カンマだけで2文をつなげない。セミコロンか、文を分ける。
- but と yet は接続詞なので、カンマでつなげる。
- 位置は文頭・主語のあと・文末の3つ。基本は文頭。
- 会話なら still や even so で足りる。
語彙を増やすより先に、つなぎ方を1つ直すほうが文章は速く整います。逆接以外のつなぎ言葉もまとめて確認したい場合は、つなぎ言葉を使うだけで英語が伝わりやすくなる【Connectors一覧と例文】で一覧にしています。
同じ訳語で覚えたせいで混ざる語は他にもあります。「speak」と「talk」の違いと使い方も、どちらも「話す」と覚えると選べなくなる例です。


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