「フリーアドレス」は英語で何と言う?|hot desking と、通じないオフィス用語

語彙

出社したら、今日も席が決まっていない。

空いているデスクを探して座る。
隣は、話したことのない部署の人。

海外拠点の同僚に、この働き方をどう説明すればいいのか。

「free address、で通じるのかな」

心当たりはありませんか?

結論から書くと、free address は英語では通じません。これは日本で作られた言い方です。英語では hot desking と言います。

ただし、この語には日本語の「フリーアドレス」には無い含みがあります。そこまで知っておくと、説明で誤解を生みません。

hot desking|席が固定されていない働き方

hot desking は、社員に固定席を割り当てず、その日空いているデスクを使う運用を指します。

由来は諸説ありますが、席を使う人が次々と入れ替わり、前の人の体温が残っているうちに次の人が座る、という状態から来たと説明されることが多い語です。

例文

  • Our company has implemented hot desking, which means we don’t have assigned seats anymore.
    (私たちの会社ではホットデスキングを導入しており、席の指定はなくなりました。)
  • Today I’m working at a different desk because of our hot desking policy.
    (今日は会社のホットデスキングの方針のため、別のデスクで仕事をしています。)
  • With hot desking, we have the opportunity to sit next to different colleagues every day and foster new connections.
    (ホットデスキングを採用することで、毎日異なる同僚の隣に座る機会があり、新たなつながりを築くことができます。)
  • Hot desking promotes a more collaborative work environment as employees from different teams can easily interact and share ideas.
    (ホットデスキングは、異なるチームの従業員が簡単に交流し、アイデアを共有できるような協力的な職場環境を促進します。)
  • One of the advantages of hot desking is the flexibility it offers. I can choose a workspace based on my tasks and preferences each day.
    (ホットデスキングの利点の一つは柔軟性です。毎日、タスクや好みに基づいてワークスペースを選ぶことができます。)

hot desking と hoteling は違う

似た制度に hoteling があります。混同すると、制度の説明が食い違います。

hot desking は早い者勝ちです。空いている席に座ります。

hoteling は事前予約制です。ホテルの部屋を取るように、使う席を先に押さえます。

自社の制度がどちらかで、英語の説明は変わります。予約システムがあるなら hoteling、なければ hot desking です。

英語圏では、必ずしも良い意味ではない

ここは知らずに使うと危ないところです。

日本語の「フリーアドレス」は、自由・柔軟といった前向きな響きで使われます。しかし英語の hot desking には、否定的な文脈で語られる場面が少なくありません。

席を確保するために早く出社する、私物を置いておけない、毎日環境が変わって落ち着かない。こうした不満と結びつけて語られることがあります。

海外の同僚に自社の制度を紹介するときは、良い面だけを述べると温度差が出ます。制度の中身を先に説明し、呼び名は後から添えるほうが安全です。

呼び名を使わずに説明する言い方

用語が通じるか不安なときは、状態をそのまま述べれば確実です。

  • We don’t have assigned seats.(席は決まっていません)
  • Seating is first-come, first-served.(席は早い者勝ちです)
  • You can sit anywhere that’s open.(空いているところに座って大丈夫です)
  • Is this seat taken?(この席、空いていますか)

最後の1文は、来客や出張者として他社のオフィスに入るときにも使えます。用語を覚えるより、この4つのほうが実務では働きます。

オフィスまわりの、通じない和製英語

同じ型の間違いは、オフィス用語に多く潜んでいます。

日本語 そのまま英語にすると 実際に使われる語
フリーアドレス free address hot desking
シェアオフィス share office coworking space
テレワーク telework(通じるが硬い) remote work / working from home
ノートパソコン note PC laptop
コンセント consent(別の意味になる) outlet(米)/ socket(英)
サラリーマン salaryman office worker / company employee

共通しているのは、英語の単語を使っているのに、英語では別の意味になるか、存在しないという点です。

見覚えのあるカタカナほど、そのまま出してしまいます。オフィスの物や制度の名前は、一度確認してから使ってください。

まとめ

  • 「フリーアドレス」は和製英語。英語では hot desking。
  • 予約制なら hoteling。早い者勝ちなら hot desking。
  • 英語では否定的な文脈で語られることもある。良い面だけを述べない。
  • 用語が不安なら「We don’t have assigned seats.」と状態で説明する。

職場の英語は、単語よりも場面ごとの型で覚えるほうが早く使えます。会議で発言に回れないという課題があるなら、英語会議で相槌ばかりになってしまう人のための4つの戦略を読んでください。

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