英語の「会話力」とは何か|聞く力と話す力が合流する場所

会話

会話力は、話す力の延長ではありません。
聞く力と話す力が合流し、往復として動き始めたときに生まれる別の力です。

英作文はできる。
リスニングも、ゆっくりなら分かる。
なのに、2人で話すと途端に成立しなくなる。

会話になるとぎこちない。

不思議なことではありません。会話は、聞く力と話す力を単純に足したものではないからです。

会話力とは何か

会話力とは、相手の発言を受け取り、次の一手を返す往復の力です。自分の中で完結する練習では鍛えられません。

スピーキングが「自分の中で組み立てる力」なら、会話は「相手と一緒に進める力」です。組み立ては瞬間英作文や音読で鍛えられますが、往復は相手がいないと発生しません。

だから練習の設計も別になります。一人で英作文を鍛えても、沈黙は減りません。

会話は3つの方向とつながる

一覧で示します。

つながる先 どうつながるか 切れているときのサイン
リスニング 受け取れないと返せない。返す材料はここから来る 聞き取れなかった箇所を流して、話がずれる
スピーキング 返す速さが要る。会話では正確さより速さ 考えている間に、相手が次を出してしまう
文化的な前提 言葉にしなければ、存在しないことになる 反応も質問もせず、黙って聞いている

① リスニングとつながる|受け取れないと返せない

聞き取れなかった箇所を流すと、そのあとの話がずれてしまいますよね。ずれた状態では、返す内容が作れません。

会話におけるリスニングは、理解のためだけではなく「返すための材料集め」でもあります。

聞き取りのどこで止まっているかは英語のリスニングは4つの処理でできている|語彙・文法・発音から会話へつなぐで整理しています。

② スピーキングとつながる|返す速さが要る

一人で話すときは、時間をかけても構いません。ですが、会話では、返答が遅れると相手が次を出してしまいます。

会話で必要なのは正確さより速さです。組み立ての自動化がここで必要になります。

積む順番は英語のスピーキングは4つの力を時間内に連動させる|考えを発話へ変える練習の順番にまとめました。

③ 文化的な前提とつながる|察してもらえない

日本語のやり取りは、言わない部分を相手が補ってくれます。英語では補われません。

反応も質問も、言葉にしなければ存在しないことになります。この差は日本語と英語の決定的な違い「ハイコンテクスト」vs「ローコンテクスト」で扱っています。

読む順番

会話をテーマとして積むなら、この順です。

  1. リスニング|まず受け取れるようにする。返す材料はここから来る。
  2. スピーキング|組み立てを自動化する。速さはここで作る。
  3. 日本語と英語の決定的な違い|言葉にしないと伝わらない、という前提を入れる。
  4. 英語会議で空気のようになってしまう。「聞き役」から「議論を回す人」に変わる4つの戦略|受け取ったものを、返す動作に変える。

1と2が動いていない段階で4だけをやると、反応の言葉を覚えただけで終わります。

よくある質問

会話力とスピーキングは何が違いますか

向いている方向が違います。スピーキングは自分の中で組み立てる力、会話力は相手と往復する力です。

スピーキングが伸びても、会話が続くとは限りません。逆に、会話が続く人が長い説明を組み立てられるとも限りません。

オンライン英会話を続ければ会話力はつきますか

往復の回数は増えます。ただし講師は会話を続けるのが仕事なので、相手が主導している状態になりがちです。

自分から始めた発話が何回あったかで測ってみましょう。そこが増えていなければ、量だけが増えています。

独学で会話力は伸ばせますか

土台までは伸ばせます。リスニングとスピーキングは一人で積めます。

ただし往復そのものは相手が要ります。独学で用意できるのは、往復に入る準備までです。

次にやること

いま会話が止まっている自覚があるなら、テーマとして積む前に原因を切り分けてください。

反応・聞き返し・質問のどれが抜けているかで打ち手が変わります。切り分けは英語の会話が続かない原因は3つ|話題より「動かし方」で決まるにまとめました。

止まっている自覚がないなら、上の読む順番の1番目から積んでください。

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