英語のリスニングは4つの処理でできている|語彙・文法・発音から会話へつなぐ

リスニング

リスニングは、耳の良し悪しではありません。音声知覚・語彙認識・意味処理・保持という4つの処理でできていて、どこで止まっているかによってやることが変わります。

英語の音声を毎日聞く。

3か月続けた。
それでも、会議の英語は音のかたまりのままだった。

「量が足りないのかな」と、再生時間を増やす。

量では動きません。止まっている処理を特定しないまま流し続けているからです。

リスニングとは何か

リスニングとは、聞こえた音を意味に変える一連の処理です。1つの能力ではなく、4つの工程の連なりです。

  1. 音声知覚|耳に入った音を「どの語か」として認識する
  2. 語彙認識|その語の意味を取り出す
  3. 意味処理|語順のまま、文としての意味を組み立てる
  4. 保持|前半を覚えたまま、後半を聞く

どこで詰まっても、結果は同じ「聞き取れない」になります。だから症状だけでは原因が分かりません。

リスニングは3つの方向とつながる

先に一覧で示します。

つながる先 どうつながるか 切れているときのサイン
発音 自分で再現できない音は、聞いても認識されにくい スクリプトを見れば分かるのに、音だと別物に聞こえる
語彙・文法 音が拾えても、その語を知らなければ意味にならない スクリプトを見ても、意味が分からない箇所がある
会話 聞き取れなかった箇所を、その場で確認できる 分からないまま流して、話がずれていく

① 発音とつながる|出せる音は聞こえる

自分で再現できない音は、聞いても認識されにくくなります。音声知覚の土台は、発音と共通です。

ルールは【決定版】英語の音声変化ルール全まとめ|リスニングの壁を「ロジック」で破壊する全22法則に、音の認識そのものを鍛える手順は「読めばわかるのに聞き取れない」大人のためのリスニング「音声知覚」3ステップにあります。

② 語彙・文法とつながる|知らない語は聞こえない

音が拾えても、その語を知らなければ意味になりません。文字で覚えた語も、音と結びついていなければ同じです。

スクリプトを見て意味が分からない箇所は、リスニングの練習では埋まりません。語彙の側で解決します。

③ 会話とつながる|聞き取れないまま流さない

実際のやりとりでは、聞き取れなかった箇所をその場で確認できます。これができると、ずれたまま会話が進みません。

聞き返し方は英語で聞き返す言い方|「すみません、もう一度お願いします」を繰り返さないための3段階にまとめてあります。聞き取れないこと自体より、そこで終わらせることが練習機会を減らします。

読む順番

次の順で進めると、止まっている処理から順に片づきます。

  1. ディクテーションのやり方|書き取り・答え合わせから次の練習へ進む5ステップ|短く書き取り、音源と照合して次に確かめる箇所を選ぶ。
  2. 【決定版】英語の音声変化ルール全まとめ|音の問題なら、変化のルールを知識として入れる。
  3. 英語のオーバーラッピングは何に効くのか|効果が出るまでの期間と、やめる合図|文字を見ながら、自分の音とのずれを直す。
  4. 【決定版】シャドーイングのやり方完全ガイド|5ステップで「音マネ」を卒業する|文字を外して、処理速度を上げる。
  5. 英語のリプロダクションとは|シャドーイングとの違いと、サイトトランスレーションの使い分け|音は追えるのに内容が残らない段階へ。

1を飛ばすと、どの練習を選べばいいかが決まりません。

よくある質問

TOEICのリスニングと、会議の聞き取りは同じ力ですか

重なりますが、同じではありません。試験音声は雑音がなく、話者も明瞭に話します。

会議では、複数人が重なり、専門用語も混ざります。試験のスコアが上がっても会議で困るのは、この差によるものです。

教材は毎日変えたほうがいいですか

変えないほうが早く進みます。同じ音源を繰り返すほうが、どの処理も定着します。

新しい教材は、いまの音源で止まる場所が消えてから移ります。

リスニングだけを先に伸ばしてもいいですか

構いません。むしろ、音の処理は他のどの力よりも先に置くほうが効率が上がります。

聞こえない語は覚えられず、口からも出ないためです。リスニングは、語彙とスピーキングの前提でもあります。

次にやること

今日やることは1つです。30秒の音声を選んで、書き取ってみてください。

スクリプトと突き合わせれば、4つの処理のどこで止まっているかが分かります。そこから練習を選びます。

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