英語で道を尋ねることはできても、返事を聞いて次の質問をするところで止まってしまうことがあります。そんなとき、自分は初級(A1)なのか、初中級(A2)なのか、気になるかもしれません。
A1とA2の違いは「単語で話すか、文で話すか」ではありません。A1でも簡単な文や質問を使えます。違いを見るなら、相手の助けを受けながらのやりとりから、身近な用件を短く直接やりとりできるかへ、視点を移すほうが正確です。
初級(A1)と初中級(A2)は、何が違う?
CEFRは、語学力を「何ができるか」で記述する国際的な共通枠組みです。欧州評議会の記述では、A1でも自己紹介をしたり、住んでいる場所など身近なことを質問・回答したりできます。ただし、相手がゆっくり明確に話し、必要に応じて助けてくれることが、やりとりを成立させる条件です。
A2では、買い物や移動、仕事など身近で日常的な用件について、簡単で直接的な情報のやりとりができます。自分の背景や周囲のことも簡単な言葉で説明できます。一方、会話を自力で長く続けられるとは限りません。
たとえば道を尋ねるなら、A1でも「Where is the station?」と聞けます。A2に向けて確かめたいのは、その後の短い返答から必要な情報をつかみ、分からなければ聞き直し、行き先を確認するやりとりです。これは練習場面の例であり、この一場面ができたらA2と確定する、という判定ではありません。
なお、A2でも「こちらが好きです。近いからです」のように、好みの理由を簡単に述べることがあります。「理由を言えたらB1」という線引きもできません。欧州評議会のCEFR Companion volumeは、話す・聞くなどの技能ごとに記述を分けています。
練習は「会話のどこで止まるか」から選ぶ
レベル名だけで練習を決めるより、短いやりとりのどこで止まったかを見るほうが、次の行動を選びやすくなります。ここからはCEFRの判定条件ではなく、練習の組み立て方です。
聞いた返事がつかめないなら
自分で質問できても、相手の返事を聞き取る力が同じように育っているとは限りません。道案内や注文など、使う場面が分かる短い会話を一つ選び、音声を聞いたあとで文字を見て、分からなかった部分を確かめてみてください。返事の中の場所・時刻・数字など、次の行動に必要な情報から拾います。
意味は分かるのに返せないなら
実際に使う場面を一つ決め、そこで言いたいことを短い文にしてみましょう。たとえばホテルなら「I need to check in.」「I have a reservation.」のように、自分が使う文から始めます。動詞が浮かばず止まるなら、先に「何をしたいか」を決めるのも一つの方法です。文を何個覚えればA2、という数の基準はありません。
文の組み立てから確認したい場合は、英語の文型を会話で使うための解説が役立ちます。覚えた表現を語順どおりに口に出す練習は、短い意味のかたまりで英語を捉える方法も参考にしてください。
途中で分からなくなったなら
「Sorry, could you say that again?」と聞き直したり、「Do you mean this street?」と確認したりできます。聞き返しはA2だけの特権でも、レベルを決める試験でもありません。相手と意味をそろえるための会話の手段です。言い方を増やしたいときは、英語で聞き返す言い方を見てください。
時間とレベルは、分けて考える
初学者からA2までの学習時間は、Pearsonの推計では累計約200〜800時間と幅があります。授業や演習に取り組む時間を数えた目安で、日本語話者が独学で必ず到達する時間ではありません。すでにA1の人は、これまでに積んだ分があるため、この累計をそのまま残り時間にしないでください。
時間だけでレベルは決まりません。英語習得に必要な時間の目安を計画に使いながら、聞く力と話す力を別々に見てください。レベルチェックを利用するなら、英語のレベルチェックの選び方で測れる技能を確認できます。
まとめ|身近なやりとりを、次の練習につなげる
A1でも簡単な文を使えます。A2は、身近で日常的な用件について、簡単で直接的なやりとりができる目安です。短い会話が途中で止まったら、「聞いた返事」「自分の返答」「意味の確認」のどこで困ったかを見てください。レベル名を一つ選ぶより、次に練習する場所が具体的になります。
学習全体の順番を見直したい場合は、英語学習ロードマップも参考にしてください。
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